Canvas / 2022 Spring & Summer

Canvas

その空白に あなたは何を埋めるだろうか ピカソはなにを埋めただろうか 描いただろう

それらは制約のある自由の中

オイル・サーディンの缶でも、
群青色の空でも、

自由に描けば良い

その無限とも呼べる棚には無数の絵具があるのだから

これらは

キャンバス

限られた 世界の中

ただしそこには
行き違いや相互通行は無い
あくまで片道だけの切符を手にした矮小な存在であり、
夜光虫が耳の隙間から脳を巣食う世界かもしれない

いずれにせよ

私はここに居る

空白を埋めるために

または

空白を空白として維持するために

掛けられる声が無いありがたさの代わりに呼び掛ける言葉も持たない世界
それを自由と呼びたければ呼べば良い
代替えの利かない世界がここで在る

戯曲を得るために失ったものはなに?
もちろん石綿にそれを聞いても返事などありはしない

そこには確かに在ったものだけが存在する
生存の確認ではなく、
死者との対峙としての認識
認識は確証ではなく、
曖昧な果実
曖昧な反証
実証は不要
空白の存在

混じり合う色の先
誰かの闇にまだ色付けはされていない

花はその生命を手にし、
ただ運命に従うだけ

闇の色を決めるのは私
私はどの色にも染まらずに、
どの色にもなり得る

 

 

 

不協和音がもたらす美しさ

ピアノ・ソナタ「悲愴」

 

 

不均一に整えられた世界

クランベリージャムで満たされた世界

 

 

不均整のスタンダード

不合理性の象徴

盲目のかもめ

 

 

曖昧さの温もりと閉められたままのドア

足跡

集金人

 

 

非戦としての闘い

 

 

染上がる前のキャンバスと汚れる前の帆布

誰も手にしたことのない尊さ ///

 

 

幾重にも重ねられた絵具の行方

 

 

 

架空と現実の、その隙間の物語



" 悲しみの向こう側 "
The other side of sorrow.

 


 

Thee Old Circus.

A simple and inorganic family of items coming out of a style of subtraction that pares down the clutter of design that is all over the place. I construct an incredibly slim silhouette not seen anywhere else in menswear, and the beautiful outline that emerges singles out the clothing, and singles out the buyer from the very start.
I believe that in apparel, things are first and only infused with life through the wearing of them, and I hope that these things pass through a beautiful life cycle, eventually stripped of life and finally forgotten with time.

雑然としたあらゆるデザインを削ぎ落していく引き算のスタイルの中で生み出されるシンプルかつ無機質なアイテムたち。メンズウェアとして他にはない程の圧倒的に細いシルエットラインを構築し、そこから生み出される艶美なアウトラインは着るものを選びそれは買い手を最初から選ぶというブランドの基本姿勢も同時に表す。
洋服は、モノとは着ることで初めて命を吹き込まれるものであると信じ、そしてそれはいつかその命を削り、やがて朽ちていく美しい姿であって欲しいと僕は願う。