Guernica / 2019-2020 Autumn & Winter

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Thee OLD CIRCUS

– 1973 –

2019 – 2020 Autumn & Winter Collection

 

“ GUERNICA ”

 

1937年4月26日

ビスカヤ県のゲルニカはナチスドイツ軍による都市無差別爆撃を受ける。(ゲルニカ爆撃)

この爆撃を知った”パブロ・ピカソ”はパリ万博で展示する壁画の主題とした。

 

凡庸な僕やぼくらには彼がこの絵へ向けて抱いた本当の想いは知りようもないが、このゲルニカの絵が反戦、抵抗のシンボルとして多くの心を動かし、その心に宿ったことは事実だろう。 絵を洋服へ置き換えたとしたら僕らには一体なにが出来るのだろうか。 もちろんそれはどれほどまでに凡庸なモノだとしても。 作り手(デザイナー、ブランド)、売り手(バイヤー、ショップ)、買い手(ユーザー)にとっての洋服、モノとは、その存在の在り方、意味とは。 「かっこいいヤツ」が増えたら世界はもっと素敵になるだろう?

 

自分が想う原点的な回帰への理由はあまりに単純で凡庸だった。

 

1973年4月8日 ピカソは死んだ

 

でも、彼の死後も彼の作品はまだ生きている。 

 

 

 

 

 

 

 

“ GUERNICA ”

author /  パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)
year /  1937年
production / メディウム 油彩、キャンバス
size /  349 cm × 777 cm
collection / ソフィア王妃芸術センター

 

スペイン市民戦争に介入したナチスドイツやイタリア軍が、スペイン・バスク地方にある村「ゲルニカ」の無差別爆撃(ゲルニカ爆撃)を主題とした絵画作品。

多数の美術批評家、美術史において最も力強い反戦絵画芸術の1つとして評価されており、内戦による暴力や混沌に巻き込まれて苦しむ人々の姿が描かれた。

作品内では、血相を変えた馬、牛、火を表現。絵画全体は白と黒と灰色のみの一面全てモノクロームとなっている。しかしモノクロームの世界でありながらそこには確かな色彩を見出すことが出来る。

 

1937年のパリ万国博覧会での展示後世界中を巡回。

会場に設置されたその絵は当初、注目を集めることはなかった。

それどころか依頼主である共和国政府の一部の政治家から「反社会的で馬鹿げた絵画である」と非難を浴びた。

 

しかし万博終了後、作品はノルウェーやイギリスといったヨーロッパを巡回する中でその評価を大きく変えることとなる。

巡回で得られた資金はスペイン市民戦争の被害救済資金として活用された。

最終的であり本格的に注目をあつめるようになったのは第2次世界大戦以降である。ゲルニカは世界中から喝采を浴び、結果としてスペイン市民戦争に対して世界中から注目を集める貢献を果たした。

 

唄は終わった。

しかしメロディはまだ続いている。

 

本コレクションではこの「ゲルニカ」をテーマにアイテムを昇華させてデザインを起こした。

全てのデザインにその光という意味合いを込めた。

象徴的ともなったモッズコート(9390_Voice of Guernica)ではフードは「泣く女」胸には「馬」左袖には「牛」フィッシュテイルは「鳥」、各所に用いたダブルガーゼは「傷=包帯、負傷者」など多くの想いのイメージを自分なりに具現化した。デザインとはなんであるのか?そういった自分自身への問も込めたアイテムであると言える。実際的なディストーションスパイラル構造のアームラインやフォルムにおいては常に美しさを求めている。そういったパターンワークのその枠外、その先にある意味合いはまた別の心の奥の中に宿している。象徴として、単純に心から求める「カッコいいモノ」へと向かって。あらゆる意味において作り出されたアイテム。

 

安価で様になる大量生産で生み出される商品たち。

それに対するアンチテーゼではなく、あくまで自我と自己へ向けたデザインと商品構成であれば良い。

常に、スタンスや歩みの歩幅を変える必要はないと考えた。

 

パプロ・ピカソが死んだ

ジミ・ヘンドリクスも死んだ

 

いつか死ぬ。

みな、死ぬ。

それだけが絶対的であり普遍的な事象であることは変わらない。

留まるものがあり、深まり進むものがあるのから。

 

しかし、我々は同時的に死ぬ為に生かされていると考える。

 

言葉はただの言葉だ。

しかし、それでもそれを信じている。

 

 

「Dead or die」

 

 

死んだのか?

 

死ぬのか?

 

 

死ぬ為に、生きるのだ。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢見心地な素敵な夫婦

死んでもなお光を帯びる可愛い茶色の犬

ヨーロッパグリーン

赤錆色の美しい夕焼け

バニラビーンズレストラン

足跡

爪痕

モーリス・センダック

ブルーグリーンの空の色

どうしようもない恋の唄

ロックンロールバタフライ

沈まぬ太陽を追いかけて出ていった15歳のままの少年

晴れた日

継ぎ接ぎだらけの古いTシャツ

どこまでも続く地平線の向こう側に住む素敵な女の子

カリフォルニアガール

熟睡を邪魔されて怒った電話機

1937

ピカソが死んだ日

いつまでも続くメロディ

 

“ GUERNICA ”