「序章」〜 GUERNICA 〜

This is an “introductory”. This is the beginning, which is the first step towards the end.

これは「序章」である。これは始まりであり、始まりは終わりへ向かう最初の一歩。

 

“ GUERNICA ”

 

 

1937年4月26日、ビスカヤ県のゲルニカはナチスドイツ軍による都市無差別爆撃を受ける。(ゲルニカ爆撃) この爆撃を知った”パブロ・ピカソ”はパリ万博で展示する壁画の主題とした。

凡庸な僕やぼくらには彼がこの絵へ向けて抱いた本当の想いは知りようもないが、このゲルニカの絵が反戦、抵抗のシンボルとして多くの心を動かし、その心に宿ったことは事実だろう。

絵を洋服へ置き換えたとしたら僕らには一体なにが出来るのだろうか。 もちろんそれはどれほどまでに凡庸なモノだとしても。

作り手(デザイナー、ブランド)、売り手(バイヤー、ショップ)、買い手(ユーザー)にとっての洋服、モノとは、その存在の在り方、意味とは。 「かっこいいヤツ」が増えたら世界はもっと素敵になるだろう?

 

自分が想う原点的な回帰への理由はあまりに単純で凡庸だった。

 

1973年4月8日 ピカソは死んだ

 

でも、彼の死後も彼の作品はまだ生きている。

その絵の奥に見えたモノたち / Things that can be seen behind the picture

 

The picture is “Guernica”.

To change that mind into a form. Here is something that will change your life.

この「ゲルニカ」という絵そのものの存在自体は知っていたのだけれどその絵の心やその奥側にあった意義と意味を知らずにいた。

偶然としてそれを知ったのはとある日の夜のことだった。

そして、それは自分自身の物創りの姿勢や想いをまた大きく変化させることに繋がった。

ひとつ。

俺の心が動いたという事実。

そもそもとしてそれはまさにそこに留まり佇むだけで人の心を変えるという事実。

 

俺の作り出す洋服たちがそんな存在になれるのか?

 

果たして。

 

それは不詳であることだとしても少なくとも自分自身の心が動き出すような物でなければ自分自身にとっての物作りの意味はなさない。その為にペンを走らせ想いを重ねる。

魂というひとつづつのその事柄が重なり合って1つの絵が生まれるように。

「ゲルニカ」

この絵が持つ魂を宿した物語がここに始まる。